Thursday, May 23, 2019 10:25 AM

野村HDに改善命令へ 東証再編の情報漏えい

 金融庁が野村ホールディングス(HD)と傘下の野村証券に対し、金融商品取引法に基づき、近く業務改善命令を出す方針を固めたことが23日分かった。東京証券取引所の株式市場の再編に関する情報を投資家に漏らしたことが発覚し、内部管理体制に不備があるとして再発防止を求める。野村が改善命令を受けるのは2012年のインサイダー取引問題以来となる。

 野村HDは19年3月期連結決算で純損益が1004億円の赤字に転落。早期の業績改善が急務だが、業務改善命令による信頼低下は避けられず、経営への打撃は必至だ。野村HDは「不適切な情報の取り扱いがあったことは認識しており、大変重く受け止めている」とのコメントを発表した。

 東証は昨年秋に有識者懇談会を立ち上げ、今春の取りまとめを目指して市場区分の再編を議論していた。だが、委員だった野村総合研究所未来創発センターの大崎貞和フェローが、東証1部の新たな上場基準など、非公開の議論の内容を野村証券側に漏らしたことが発覚。野村証券の社員はその情報を機関投資家に伝えていたという。(共同)