Friday, May 31, 2019 10:29 AM

原発事故とがんの関連否定 子ども甲状腺の本格検査

 東京電力福島第1原発事故後当時18歳以下だった福島県内全ての子どもを対象とした甲状腺検査で、2014、15年度に実施した2巡目の検査で見つかったがんと被ばくに関連性がないとする中間報告を、県が設置した専門家による部会がまとめたことが31日、関係者への取材で分かった。被ばく線量が高いとがん発見率が上がるといった相関関係が認められないことなどが理由。福島市で6月3日に開かれる部会で報告する。

 基礎データ収集が目的の1巡目と違い、事故後3〜5年目に実施した2巡目は事故の影響を調べる「本格検査」と位置付けている。専門家による2巡目の見解が初めてまとまったことで、今後の検査の在り方に影響を与えそうだ。

 関係者によると、国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR)が県内59市町村ごとに推定した甲状腺被ばく線量を使い、がんが見つかった子どもの年齢や市町村と突き合わせて分析。約38万人を対象とした2巡目では52人のがんが確定し、19人に疑いが見られたが、線量の増加に従ってがん発見率が上がるという関連性はなかった。(共同)