Tuesday, September 13, 2016 10:05 AM

医療費過去最高41.5兆円 高額肝炎薬が押し上げ

 厚生労働省は13日、2015年度に病気やけがの治療で全国の医療機関に支払われた医療費(概算)は41兆4627億円で、過去最高を更新したと発表した。前年度と比べ1兆5000億円の増加で、伸び率は3.8%。

 高齢化や医療技術の高度化に加え、薬の値段と薬剤師の技術料を合計した調剤が約6800億円(9.4%)も急増し、医療費を押し上げた。厚労省は「高額なC型肝炎治療薬の使用が15年秋以降に増えたことが影響したのではないか」と分析している。

 電算処理のレセプト(診療報酬明細書)の集計では、15年度はC型肝炎治療薬を含む抗ウイルス剤の薬剤料が前年度から2954億円も増え、約3.5倍になった。16年度の診療報酬改定でこれらの治療薬の価格は引き下げられたが、厚労省は高額な新薬の増加を受け、適正使用に向けた指針や価格見直しの新ルール作りを始めている。

 概算医療費は公的医療保険と公費、患者の窓口負担を集計したもの。15年度の1人当たり医療費は前年度から1万3000円増え32万7000円。75歳未満が9000円増となる22万円、75歳以上も1万7000円増の94万8000円と大きく膨らんだ。(共同)