Friday, July 26, 2019 10:15 AM

諫早訴訟、漁業者が訴え 最高裁で上告審弁論

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)を巡り、潮受け堤防の排水門を開けるよう命じた確定判決に従わない国が、漁業者に開門を強制しないよう求めた請求異議訴訟の上告審弁論が26日、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)で開かれ、結審した。漁業者が出廷し「有明海の再生には開門しかない」と改めて訴えた。

 判決は秋にも言い渡される見通しで、期日は後日指定される。開門命令を無効化し、漁業者側の逆転敗訴とした二審福岡高裁の判断が見直されるかどうか、注目される。

 排水門を巡っては「開門」と「開門せず」の二つの司法判断が並立するねじれ状態が続いている。6月には漁業者が国に開門などを求めた2件の訴訟で最高裁が上告を退け「開門せず」の判断が確定。今回の請求異議訴訟の判決次第では、長年の法廷闘争が「開門せず」で決着する可能性がある。ただ、最高裁が審理を福岡高裁に差し戻せば、さらに長期化する。(共同)