Friday, August 02, 2019 10:21 AM

米露、新START難航 核軍縮体制、崩壊の危機

 米国とロシアの中距離核戦力(INF)廃棄条約が2日失効した。米露に残された核軍縮枠組みは2021年2月に期限が切れる新戦略兵器削減条約(新START)のみだが、延長協議に進展の兆しは見えず、行方は不透明だ。新STARTがINF廃棄条約に続き失効すれば、二大核保有国の軍拡競争を抑制する法的手段は消滅する。米露が核兵器の役割拡大を進める中、核軍縮体制は崩壊の危機に直面している。

 新STARTは配備戦略核弾頭数と大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの運搬手段総数の配備数を米露核軍縮史上、最低水準まで制限。トランプ大統領とロシアのプーチン大統領は6月の首脳会談で、新START延長を含めた核軍縮協議継続で合意したが、両国の溝は大きい。

 新START延長の可能性について、ボルトン米大統領補佐官は7月末、ロシアや中国の軍拡を阻止できない条約には「欠陥」があるとして「延長の可能性は低い」と発言した。ロシアのリャプコフ外務次官は「米国はあらゆる国際合意から離脱する理由を探している」と批判する。(共同)