Thursday, September 15, 2016 10:05 AM

所得格差、過去最大に 13年、高齢化が影響

 厚生労働省は15日、世帯ごとの所得の格差が2013年に過去最大となったとの調査結果を発表した。格差を示す指標を分析した。厚労省は、収入が少なく年金に頼る高齢者世帯の増加が主な原因とみている。

 高齢化は今後も進むため、格差拡大を示す指標の上昇は続くとみられる。社会保障などによる所得再分配の機能強化や、非正規労働者の賃金底上げなどの格差対策が求められる。

 指標は「ジニ係数」と呼ばれ、0〜1の間で1に近いほど格差が大きくなることを示す。税金の支払いや公的年金などの社会保障給付を含まない「当初所得」のジニ係数は、1983年以降上昇が続いており、2013年は前回(10年)よりも0.0168ポイント高い0.5704となった。

 当初所得から税金や社会保険料を差し引き、公的年金などの給付を反映させた「再分配所得」のジニ係数は前回から微減し、0.3759。再分配後の格差は34.1%改善した。改善度は過去最大で、年金を受け取る高齢者が増えた分、再分配効果が強く出た形だ。(共同)