Tuesday, August 20, 2019 10:47 AM

米、中距離ミサイル実験 INF条約失効で再開

 トランプ政権は19日、今月2日に失効した米露の中距離核戦力(INF)廃棄条約で制限されていた射程500キロ以上の地上発射型巡航ミサイルの発射実験を実施、成功したと発表した。同型ミサイルの実験は条約失効後初めてで、米メディアによると1988年の条約発効後、30年以上行われてこなかった。

 条約に違反して中距離ミサイルの開発を進めてきたとされるロシアや、軍備増強を続ける中国に対抗する狙い。エスパー米国防長官は、中国のミサイル配備が進むアジア太平洋地域への中距離ミサイルの将来的な配備に言及。中露はこれまで対抗措置を取る考えを表明しており、日本を含む北東アジアの緊張が高まる懸念もある。

 ミサイル発射実験を受けロシアのリャプコフ外務次官は20日、トランプ政権が「かなり前から開発していた明らかな証拠だ」と述べ、条約失効前から米国が条約違反の開発に着手していたと批判した。ロシア通信が報じた。(共同)