Wednesday, August 21, 2019 11:06 AM

宇宙での原子力利用を推進 トランプ氏が開発強化指示

 トランプ大統領は20日、宇宙船や探査機の推進エンジンや電源など、宇宙で利用できる原子力システムの開発を進めるようエネルギー省や航空宇宙局(NASA)など連邦政府の関係機関に指示した。トランプ氏は指示書で「原子力は宇宙における米国の優位性を維持するために必要不可欠だ」と強調した。

 原子力は小型化しやすく寿命も長いため、遠方を探査する機体の電源として使われてきた歴史がある。米国では打ち上げから40年以上稼働しているボイジャー1号、2号などが原子力電池を利用している。将来は推進力としての応用も検討されており、火星への有人宇宙船の飛行時間短縮が期待されている。NASAのブライデンスタイン局長は20日に開かれた国家宇宙会議で「技術は安全保障などさまざまな分野に応用が可能だ」とアピールした。

 指示書では、事故時の被害を軽減するため、打ち上げ承認に当たって、一般人が被ばくする可能性や環境に及ぼす影響を事前に評価することを求めた。(共同)