Monday, September 19, 2016 10:16 AM

シリア停戦、違反増加 発効1週間で危険な兆候

 シリア内戦の終結を目指し、米国とロシアが主導したアサド政権と反体制派の停戦は、19日夕(日本時間20日未明)で発効から1週間が経過。大規模な戦闘は起きていないが、停戦対象の反体制派地域では初の空爆が18日に激戦地・北部アレッポや南部ダルアー県で行われ、少なくとも計11人が死亡した。各地で停戦違反が増え始め、戦闘再燃を懸念させる危険な兆候が目立ってきた。

 東部デリゾール県で17日、米軍などによる空爆でシリア政権軍の兵士約90人が死亡したことで、政権側とロシアが強く反発。米国との対立が深まった。米政府は「意図した攻撃ではなかった」と誤爆の可能性を認めたが、米露の協調で停戦を維持し和平協議の再開につなげるというシナリオは揺らいでいる。

 度重なる停戦破綻の経験を踏まえ、米露は今回、アサド政権による反体制派地域での空爆を全面的に禁止。同地域に展開するイスラム過激派には、米露が共同軍事行動で対処する方針だ。だが停戦1週間に合わせて始まるはずだった具体化の動きは、見えていない。(共同)