Wednesday, November 06, 2019 10:03 AM

ウィーン芸術展の公認撤回 国交記念事業で日本大使館

 オーストリアの首都ウィーンの「ミュージアム・クオーター」で、オーストリア外務省が協力し、日本との国交150年記念事業として開かれた芸術展について、在オーストリア日本大使館は5日までに公認を取り消した。東京電力福島第1原発事故や安倍政権を批判的に扱った作品などが問題視されたとみられる。

 芸術展は、日本の美術家、会田誠氏らの作品を展示する「ジャパン・アンリミテッド」。政治的テーマへの抗議が高まり、公権力との関係が物議を醸した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」に参加した美術集団「Chim↑Pom(チンポム)」も出展した。公式ロゴが使えなくなるだけで芸術展は続いているが、表現の自由を巡る不寛容が国外に波及した格好だ。

 日本での政治社会批判の自由と限界に焦点を当てた芸術展は9月下旬に開幕。放射線防護服に日の丸の形に浮かんだ血が流れ落ちるようなオブジェや、安倍晋三首相に扮した人物が歴史問題を巡り韓国、中国に謝罪する動画も展示、昭和天皇を風刺する作品もある。(共同)