Wednesday, September 21, 2016 10:23 AM

米スター選手、差別に抗議 声上げる「ロールモデル」

 スポーツ選手が人々の「ロールモデル(模範)」と期待されることが多い米国で、数々のスターが社会問題へ積極的に声を上げ始めた。全米で注目を集めるアメリカンフットボールのNFLでサンフランシスコ・フォーティナイナーズのQBコリン・キャパニックは、試合前に行われる国歌斉唱で「起立の拒否」。警官による黒人射殺など人種間の緊張が高まる中「黒人や有色人種を虐げる国に敬意は払えない」との抗議の意思を表明した。

 バスケットボールのNBAでは、元スーパースターでシャーロット・ホーネッツのオーナー、マイケル・ジョーダン氏もスポーツ専門局ESPN系のサイトで「悪化するばかりの人種間の緊張を悲しく思う」と声明を出した。社会問題への発言に慎重で、批判されることもあった同氏としては異例のことだった。

 NBAで2季連続最優秀選手に輝いたゴールデンステート・ウォリアーズのステフィン・カリーは、自身の育ったノースカロライナ州の性的差別に対し、声を上げた。出生証明書と同じ性別のトイレを使うよう義務付けた州法(通称トイレ法)は、性同一性障害などの性的少数者(LGBT)に対する差別として批判を集める。「全ての人に平等、公平な権利と扱いを受けることを全面的に支持する」とAP通信の取材で表明。このトイレ法をめぐってノースカロライナ州は、NBAのオールスター戦や、全米大学体育協会(NCAA)の各競技の選手権も開催権を剥奪されている。(共同)