Thursday, December 12, 2019 9:23 AM

ビキニ被ばく、二審も敗訴 元漁船員ら、国家賠償請求

 米国による1954年の太平洋・ビキニ環礁での水爆実験を巡り、第五福竜丸(静岡県焼津市)以外の漁船が被ばくした事実や調査結果を国が隠し続け、必要な治療を受けられなかったとして、周辺で操業していた高知県の元漁船員と遺族ら29人が計約4200万円の国家賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、高松高裁は12日、請求棄却の一審高知地裁判決を支持し、原告側の控訴を退けた。

 増田隆久裁判長は判決理由で「関係する機関や組織がさまざまで、約60年の長期間にわたり被ばくに関する資料を隠匿する意思が引き継がれてきたとは考えがたい」と指摘した。

 また第五福竜丸以外の被害も報道され、漁船員らが身体検査を受けたことも当時から知られていたと認定。2014年に厚生労働省が資料を実際に開示しており、隠匿の意思があったとすると矛盾が生じるとした。(共同)