Monday, December 16, 2019 9:27 AM

かんぽ・郵便、業務停止へ 金融庁、保険不正販売で

 金融庁は16日、大規模な保険の不正販売が発覚したかんぽ生命保険と日本郵便に対し、27日にも保険業法に基づき、保険販売など一部の業務停止命令を出す方向で検討に入った。日本郵政グループの社内調査結果の概要も判明し、法令や社内規定に違反した疑いのある契約は15日時点で1万2836件となり、これまで公表していた6327件から倍増した。このうち現時点で670件の違反を確認した。

 金融庁は、670件の違反は不正の実態を過小評価している恐れがあるとみており、調査内容の精査を求めている。日本郵政グループは18日に発表する社内調査結果で、違反件数を上積みする可能性がある。総務省は金融庁の処分とは別に、日本郵政と日本郵便に行政処分を下す予定だ。

 日本郵政の長門正貢社長、かんぽ生命の植平光彦社長、日本郵便の横山邦男社長が18日午後、東京都内でそろって記者会見し、社内調査の最終報告書を発表する。経営陣の責任に言及する見通しで、進退も焦点となる。これに先立ち特別調査委員会の委員長、伊藤鉄男弁護士(元最高検次長検事)らが会見する。不正販売の背景を説明し、再発防止策を提言する。(共同)