Friday, January 17, 2020 9:27 AM

伊方3号機、運転認めず 地震や火山の評価、不十分

 四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転禁止を求めて、50キロ圏内に住む山口県東部の三つの島の住民3人が申し立てた仮処分の即時抗告審で、広島高裁(森一岳裁判長)は17日、運転を認めない決定をした。「四国電の地震や火山リスクに対する評価や調査は不十分だ」とし、安全性に問題がないとした原子力規制委員会の判断は誤りがあると指摘した。

 運転禁止の期間は、山口地裁岩国支部で係争中の差し止め訴訟の判決言い渡しまでとした。

 伊方3号機の運転を禁じる司法判断は、2017年の広島高裁仮処分決定以来2回目。伊方3号機は現在、定期検査のため停止中で、今月15日にはプルサーマル発電で使い終わったプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の取り出しを完了した。4月27日に営業運転に入る計画だったが判決の見通しは立っておらず、運転再開は当面できない状態となった。原発再稼働を進める国の方針にも影響しそうだ。(共同)