Friday, February 07, 2020 9:20 AM

嫡出否認は「合憲」確定 最高裁、夫のみ権利

 生まれた子との父子関係を法的に否定する「嫡出否認」の訴えを起こす権利を夫だけに認めた民法の規定は、男女平等を定めた憲法に違反するかどうかが争われた訴訟で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は原告側の上告を退ける決定をした。5日付。規定を「合憲」とした一、二審判決が確定した。最高裁は具体的な判断理由を示さなかった。

 民法は、結婚中に妻が妊娠した場合は夫の子と推定し、これを覆す嫡出否認の訴えは夫だけができると規定。ドメスティックバイオレンス(DV)などの事情で、離婚成立前に別の男性との間で子どもを産んだ母親が、夫の子になるのを避けるために出生届を出さず、子が無戸籍となる要因とされている。法制審議会は妻や子も否認の訴えを起こせる案を含め、規定見直しを検討中だ。

 原告は神戸市の女性と娘、孫2人の計4人。女性は暴力が原因で夫と別居し、離婚が成立しないまま別の男性との間に娘をもうけた。夫が法律上の父となることを避けるため出生届は出さず、娘と、娘が産んだ孫2人が無戸籍となった。「民法の規定が原因で不利益を受けた」として、国に計220万円の損害賠償を求めていた。(共同)