Monday, September 26, 2016 10:29 AM

為替安定に最大限努力 日銀総裁、円高に警戒感

 日銀の黒田東彦総裁は26日、大阪市で開かれた地元経済界との会合で円相場について「為替安定のために最大限の努力をしてまいりたい」と述べ、為替市場の動向を注視していく考えを表明した。日銀が21日の金融政策決定会合で政策の目標をお金の「量」から「金利」に転換した後、緩和策が後退したとの思惑もあり、円買いドル売りがやや優勢になっている。

 黒田総裁は会合後の記者会見で、政策修正後の相場変動への言及は避けたが「適切な金融政策運営を図っていきたい」と強調し、一層の円高進行に警戒感を示した。日銀が長期金利の目標を0%程度と設定した後も、指標となる新発10年国債の利回りはマイナスが続いているが「コントロールできないことを示しているのではない」と指摘し、目標の範囲内で推移しているとの認識を明らかにした。

 講演では政策変更の狙いを説明。今後の追加金融緩和では「マイナス金利の深掘りと長期金利操作目標の引き下げが中心的な手段になる」と述べ、短期金利や長期金利の引き下げを検討する考えを示した。金利が下がると収益が圧迫される金融機関への影響を考慮しつつ、日本経済に必要と判断すれば「ちゅうちょなく、調整を行う」と語った。(共同)