Wednesday, February 19, 2020 9:08 AM

弁護側、無罪主張し結審 植松被告「控訴しない」

 相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で2016年7月、入所者ら45人が殺傷された事件で、殺人罪などに問われた元職員植松聖被告(30)の裁判員裁判第16回公判が19日、横浜地裁(青沼潔裁判長)で開かれた。弁護側は最終弁論で、争点となった事件当時の刑事責任能力はなかったと主張し、「精神障害による心神喪失状態」として無罪判決を求めた。植松被告は最終意見陳述で「どんな判決でも控訴しない」とし、結審した。判決は3月16日に言い渡される予定。

 検察側は死刑求刑している。障害者に対する差別的な考えが大量殺人の実行までに発展した動機の形成過程を、どう説明するかで主張が真っ向から対立した。

 弁護側はまず、学生時代の被告が社交的で友人も多く、交際相手との関係も続いていたと指摘し、「パーソナリティー障害」とする精神鑑定結果に反論した。その上で、大麻使用の影響で「15年から人格は急激に変化した」と強調。園での勤務経験から生じた「障害者はいらない」との差別的な考えが事件にまで発展したのは「病的な飛躍」で、大麻の高揚感で引き起こしたと訴えた。(共同)