Wednesday, March 25, 2020 10:14 AM

武漢で大規模抗議発生も 不満封殺に世論誘導提言

 【北京共同=大熊雄一郎】2カ月以上にわたって封鎖措置が続く中国湖北省武漢市で、長期の行動制限を強いられた市民の不満が封鎖解除後に噴出し「大規模な抗議活動が起きる恐れがある」と警告する報告書を、共産党・政府に近い研究機関がまとめたことが25日分かった。矛先を習近平指導部に向かわせないため、世論を誘導するよう党に提言。関係者によると、報告書は党中央の担当部門に提出された。

 中国当局は4月8日、1月23日から行ってきた武漢市の事実上の封鎖を解除する。新型コロナウイルス感染症の発生情報隠蔽など、当局に対する市民の不信感が広がっており、封鎖解除に伴い責任追及を求める世論が強まることに習指導部が神経をとがらせているとみられる。

 報告書は北京に拠点を置く研究機関「沃民高科沃徳網情研究院」が3月中旬にまとめた。母体の企業は機密性の高い情報を扱う資格を持ち、党・政府に政策提言を行っている。