Wednesday, April 01, 2020 10:02 AM

国連創設後「最大の試練」 グテレス総長、結束訴え

 【ニューヨーク共同】グテレス国連事務総長は3月31日、新型コロナウイルスの感染拡大について「国連の創設以来、最大の試練に直面している」と強調した上で、さらなる拡大を抑え、人々の生活が受ける社会・経済面の影響を最小限にするため、国際社会に結束した対応を訴える報告書を発表した。

 オンラインで記者会見したグテレス氏は「途上国が感染拡大に対応する力を持ち合わせなければ、ウイルスは山火事のように南半球に広がる恐れがあり、数百万人が死亡する」と警告。特にアフリカ大陸で感染が拡大する事態に懸念を示した。

 その上で「先進国は直ちに途上国を支援し、保健制度を強化することが必須だ」と指摘。社会・経済的な影響緩和の取り組みとして、労働者や家計を支え、企業の倒産や失業を避ける必要性を強調し、先進諸国に対し「世界の国内総生産(GDP)の少なくとも10%に上る」途上国向け大規模支援に応じるよう呼び掛けた。