Thursday, April 09, 2020 10:22 AM

前例のない戦い始まる 新型コロナに揺らぐ米

 米大統領選でトランプ大統領に挑む民主党候補に、オバマ前政権で副大統領を務めたジョー・バイデン氏が指名されることが固まり、焦点は11月に行われる予定の本選に移った。新型コロナウイルスが猛威を振るい、米国は世界大恐慌以来とも言われる国難に揺らいでいる。党候補を正式指名する夏の党大会がこれまで通り開けるのかすら危ぶまれ、トランプ氏もバイデン氏も通常の選挙運動を行えない、前例のない戦いが始まる。

 バイデン氏の最大の強みは、上院議員時代を合わせ40年以上も立法、行政両分野で働いた経験と実績だ。上院では花形の外交委員長も務め、例えば対アジア政策だけでも「助言する専門家の数は1000人に及ぶ」(日米関係者)との指摘がある。

 発足から3年以上が経過したトランプ政権は、バイデン氏自身がその一部だったオバマ前政権だけでなく、党派を超えて受け継がれてきた「エリート」による統治を全否定、米国の伝統的な価値観に反するかのような政策を展開してきた。