Wednesday, September 28, 2016 6:35 PM

米議会、大統領拒否権覆す オバマ政権で初

 米上下両院は28日、2001年の米中枢同時テロの被害者が外国政府に損害賠償を求めることを可能にする法案をそれぞれ圧倒的賛成多数で再可決した。法案はオバマ大統領が23日に拒否権を行使したが成立。大統領の拒否権が覆るのは09年1月発足のオバマ政権で初めて。アーネスト大統領報道官は「恥ずべき行動だ」と議会を非難した。

 議会が拒否権を覆すには、両院で3分の2以上の賛成が必要。上院(定数100)では賛成97、反対1。下院(同435)では賛成348、反対77だった。オバマ民主党政権が強く反対する法案に多くの民主党議員も賛成したことで、来年1月の任期満了に向けてオバマ氏のレームダック(死に体)化が進みそうだ。

 法案は、テロの被害に遭った国民が、関与した疑いがある政府を相手に損害賠償を求めることを可能にする内容。中枢同時テロでは、実行犯の多くがサウジアラビア国籍だったことから、サウジを念頭に置いている。現行法で外国政府は民事請求から免責されている。(共同)