Thursday, April 16, 2020 10:36 AM

融資枠で資金難に備え 企業、銀行に設定要請

 新型コロナウイルス感染拡大で工場の稼働停止や店舗の臨時休業などに追い込まれた企業が、資金難に備えるため、事前に取り決めた金額の範囲内であれば迅速に借り入れができる「融資枠」の設定を取引銀行に求めている。売り上げが減っても人件費などの固定費は払い続ける必要があり、各社は資金流出に直面。調達手段の確保を急ぐ。

 トヨタ自動車は、各国政府の外出規制の方針に対応して北米や東南アジアなどで工場の稼働を一時的に停止している。トヨタは強固な財務基盤を持つことで知られるが、業績への悪影響が長期化した場合に備えて三井住友銀行と三菱UFJ銀行に計1兆円の融資枠を要請した。

 世界的な移動制限で大規模な減便を余儀なくされているANAホールディングスにも人件費や航空機のリース代といった固定費負担が重くのしかかる。感染拡大の影響が1年程度続いた場合に備え、日本政策投資銀行などに計1兆3000億円規模の融資枠を求めた。(共同)