Tuesday, May 19, 2020 10:35 AM

遺骨鑑定、専門組織設置へ 取り違え問題で厚労省

 ロシアなどで収集した戦没者遺骨の取り違え問題を受け、厚生労働省が遺骨を日本人かどうか科学的に鑑定する専門組織を設置する方向で検討していることが19日、政府関係者への取材で分かった。これまでは検体採取後の遺骨は現地で焼いていたが、今後は焼骨しない方針に転換した。21日に開かれる同省の有識者会議で報告する。

 戦没者遺骨収集事業を巡っては、昨年7〜9月に日本人のものではない遺骨が含まれる可能性が指摘され、厚労省が検証を開始。有識者会議が同10月に外部有識者による二つのチームを設置し、鑑定方法に問題がなかったかなどを調べていた。

 これらのチームの報告で、ロシアの埋葬地9カ所のうち、460人分を収集した7カ所は日本人が埋葬の主体ではなかったことや、フィリピンの10人分は全て日本人の可能性が低いことが判明。再鑑定できない遺骨もあるため、現地で焼骨しないよう求めていた。(共同)