Wednesday, May 27, 2020 11:30 AM

9月入学、来年導入見送り 自公提言案で反対明記

 自民党の9月入学制に関するワーキングチームは27日の会合で「本年度・来年度など直近の導入を見送るべきという結論に至った」と明記した提言の原案を示した。公明党も同日「拙速な導入を行うことに妥当性は認められない」との提言原案を作成した。いずれも学習機会の保障を優先し、家庭の負担増や社会的混乱を懸念した。政府も慎重姿勢を強め、来年の導入を見送る方向となった。

 両党は近く最終的な提言をまとめ、週明けに首相官邸へ提出する。9月入学制は新型コロナウイルスの影響による休校長期化を受け、官邸が4月下旬から検討に着手した。ただ緊急事態宣言の解除による学校再開の動きもあり消極論が広がった。

 菅義偉官房長官は27日の記者会見で「学校再開の状況を見極めつつ、さまざまな選択肢を慎重に検討する。拙速な議論は避けるべきだ」と述べた。官邸筋は「政府は与党に足並みをそろえる」と強調した。政府は7月中に方向性を示す見通しだ。(共同)