Friday, September 30, 2016 10:25 AM

日銀ETF購入10兆円超 株安で含み損の恐れも

 日銀は30日、上場投資信託(ETF)を745億円分購入し、累積購入額が10兆円を突破した。株安になれば含み損が発生する恐れがある。株価をかさ上げして相場をゆがめているとの指摘や、日銀が多くの上場企業の実質的な大株主になっていることへの懸念もある。

 日銀は2010年に景気を下支えする包括的な金融緩和策の一環で株価指数連動型のETFの買い入れを始めた。黒田東彦総裁就任後の13年に年1兆円、14年に年3兆円ペースに拡大。今年7月には購入額を年6兆円に倍増させると決めた。日銀内には「日銀の財務健全性を一段と損ねる」と反対する声がある。

 日銀の今年3月末の自己資本は約7兆4000億円で、ETFの累積購入額はこれを既に上回る。三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると、累積購入額は17年末に17兆円超、18年末には23兆円超に達する見通しだ。(共同)