Wednesday, June 03, 2020 10:25 AM

首都近郊に陸軍配備 トランプ氏、デモけん制

 【ワシントン共同=竹本篤史】米国で白人警官による黒人男性暴行死事件への抗議デモが全米50州に拡大、首都ワシントンのホワイトハウス周辺でも連日続く中、トランプ政権は2日、陸軍部隊1600人を首都近郊に配備し、デモが過激化すれば制圧に向け軍投入も辞さない構えを見せた。けん制の意味合いが強いが、「戦時」を演出するトランプ大統領の手法に社会の分断を加速させるとの批判が強まっている。

 エスパー国防長官もデモ現場を「戦闘空間」と呼び、州知事らに制圧を促しており、議員らの間に軍の介入への懸念が広がっている。

 11月の大統領選で再選を狙うトランプ氏は3月にも新型コロナウイルス感染拡大に際して「戦時大統領」と自称、強い指導者像をアピールした。今回の暴行死事件では白人至上主義を助長してきた自分に批判の矛先が向かわないよう、暴徒化したデモ参加者を「極左」と決めつけた。