Wednesday, June 10, 2020 10:15 AM

性犯罪GPS装着検討明記 幼少期から被害予防教育

 性犯罪と性暴力の対策を強化する初の政府方針案の全容が10日判明した。仮釈放中の人に衛星利用測位システム(GPS)端末の装着を義務化することの検討や、被害予防に向けた幼少期からの教育や啓発が柱。根絶を求める被害者らの声の高まりを受け、政府が関係府省横断で策定した。2022年度までの3年間で集中的に取り組む。性犯罪を巡るGPS導入には人権侵害との批判もあり、現時点で実現は見通せない。

 政府は11日の関係府省会議で決定し、7月にまとめる予定の経済財政運営の指針「骨太方針」に反映させる考え。一方で被害者の悲願である刑法の「暴行・脅迫」要件の廃止を含めた改正議論は「検討を進める」にとどめた。

 方針案は「性犯罪、性暴力は被害者の尊厳を著しく踏みにじる行為」と強調。加害者の多くは顔見知りとの調査結果もあるとし、特に子どもは親族や教員、コーチなど身近な人から被害を受けることも多いと分析した。「同じ加害者により類似の犯罪や暴力が繰り返される例が少なくない」と指摘した。(共同)