Monday, October 03, 2016 10:18 AM

プルトニウム処分合意停止 プーチン大統領令、米を非難

 ロシアのプーチン大統領は3日、米国との間で2000年以降に結んだ兵器級余剰プルトニウム処分の合意を停止する大統領令を出した。米国による処分義務の履行が不確実だと非難。ロシアに対する米国の「非友好的な行動」の結果、戦略的な安定が脅かされたとし、ロシアの安全を守るため緊急措置を取る必要があるとしている。

 余剰プルトニウムは米露間の核軍縮条約の履行によって大量に生じた。処分合意は核兵器への再転用や流出を防ぐ上で重要なだけに、「核兵器なき世界」を掲げるオバマ米大統領に大きな打撃。米露間の対立激化が露呈した。

 米露は00年、解体した核弾頭から取り出される兵器級プルトニウムをそれぞれ34トンずつ処分することで合意。10年には、原子力発電の燃料として再利用するための合意文書に署名した。(共同)