Monday, June 22, 2020 10:19 AM

米、日本に80億ドル要求 「不公平」とトランプ氏

 【ワシントン共同=池田快】ボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は23日出版の回顧録で、昨年7月に訪日した際、トランプ大統領が防衛費の分担金として年間約80億ドル(約8500億円)の負担を求めていると日本政府高官に伝えたと証言した。日本政府は否定してきたが、当時の米政府当事者が初めて公に認めた。トランプ氏が安倍晋三首相に対し、米国による日本の防衛義務は「公平ではない」と直接伝えていたことも明らかにした。

 共同通信が回顧録を入手した。ボルトン氏は全ての在日米軍を撤収させると脅して分担金交渉を優位に進めるようトランプ氏から指示を受けたことも公表。現行の日米安全保障条約が23日に発効60年を迎える中、「米国第一」主義を掲げるトランプ氏の同盟軽視の姿勢が改めて露呈した。

 米側が求める80億ドルは日本が現在、分担している在日米軍の駐留経費負担(思いやり予算)の4倍以上に相当する。日本政府はこれまで米側の負担増要求の報道について「そのような事実はない」(菅義偉官房長官)と完全否定している。