Wednesday, July 01, 2020 10:39 AM

豪、防衛に10年で20兆円 中国警戒、軍備増強

 【ハンターバレー(オーストラリア東部)】オーストラリアのモリソン首相は1日、今後10年間で国防分野に2700億豪ドル(約20兆円)を充てる防衛戦略を発表した。インド太平洋地域で存在感を強める中国への警戒を念頭に、米国から長距離ミサイルを購入するなど軍備を増強する。

 モリソン氏は演説で、インド太平洋地域を「戦略的な競争が激化している中心地」と指摘。中国とインドの国境付近の係争地や南シナ海に言及し「領土問題を巡る緊張はインド太平洋地域全体で高まっている」と述べ、「より危険で秩序を欠いた新型コロナウイルス後の世界に備える必要がある」と強調した。

 オーストラリアは「自由で開かれたインド太平洋」構想に基づき、日本や米国と連携を深めている。6月にはモリソン氏がインドのモディ首相とオンラインで首脳会談を行い、軍の相互運用能力を向上させていくことで合意。日米印の3カ国とともに中国をけん制する動きを強めている。