Monday, July 06, 2020 10:14 AM

「英雄公園」構想に批判 米トランプ氏、選定に偏り

 【ワシントン共同】トランプ大統領が11月の大統領選に向け、歴史上の英雄の像を並べた国立公園を設置する構想を打ち出した。白人警官による黒人男性暴行死事件後、奴隷制に絡む銅像撤去の動きの広がりに対抗して保守層にアピールする狙いだが、対象の選定が偏っているとの批判が噴出している。

 トランプ氏は3日、リンカーンなど歴代大統領4人の顔が山肌に刻まれたサウスダコタ州の景勝地ラシュモア山での演説で「英雄庭園」と称する公園の構想を表明。同日、設置場所などを60日以内に検討するよう指示する大統領令を出した。支持基盤のキリスト教福音派の指導者ビリー・グラハム師や保守派のスカリア元最高裁判事、レーガン元大統領ら保守系政治家ら計31人の像を公園に置いて顕彰するとした。

 一方で民主党の大統領経験者はゼロ。米メディアは、対象の多くが白人男性で、黒人はキング牧師ら5人しかおらず、ヒスパニック(中南米系)やアジア系は含まれていないと人種や党派の偏りを指摘した。