Tuesday, October 04, 2016 10:42 AM

保有国の切り崩し警戒 核禁止交渉、予断許さず

 ニューヨークの国連本部で3日に始まった国連総会第1委員会(軍縮)の討議で、「核兵器禁止条約」制定交渉の来年開始に向けた総会決議案を巡る賛成、反対派各国の対立が鮮明化した。複数の国が賛同を表明したが、核保有国も切り崩しを展開。条約制定の推進国側は警戒を強めており、思惑通りに進められるかどうか予断を許さない情勢だ。

 第1委では3日、米国のローズ国務次官補(軍備管理・検証・順守担当)が強い反対の意思を表明。「核軍縮と安全保障環境は切り離せないことに気付くことが大切だ」と強調し、条約制定の動きに反対するよう各国に呼び掛けた。

 米国をはじめとする核保有国は水面下でも既に、決議案を支持しないよう各国への働き掛けを強めている。AP通信によると、英国は欧州や米国の「核の傘」の下の国々に、フランスはアフリカ諸国に重点を置き反対工作を進めているという。(共同)