Wednesday, July 08, 2020 10:21 AM

トヨタ、紹介採用を導入 多様な人材の獲得強化

 トヨタ自動車が、社員の紹介を基に中途採用を行う「リファラル(紹介)採用」制度を導入したことが8日、分かった。関係者が明らかにした。自動運転など先端技術での研究開発競争が進む中、優秀で多様な人材の獲得を強化するのが狙い。紹介採用は新興企業を中心に広がってきたが、国内メーカー最大手の導入で、新たな手法として普及が加速しそうだ。

 関係者によると、トヨタは6月に制度の運用を始めた。社員は自身の人脈を生かして知人に採用選考への応募を促し、人事部門に紹介する。社員に報酬はない。必ず採用するとは限らず、能力に基づいて選考する。選考過程で通常より優遇することはないという。

 自動車業界は「100年に1度の大変革期」(豊田章男社長)を迎え、自動運転や電動化などの「CASE(ケース)」と呼ばれる新領域で、国内外で他業種を巻き込んだ主導権争いが激化している。トヨタは制度を活用し、ITに強みを持った人材の獲得を進めたい考えだ。(共同)