Wednesday, July 08, 2020 10:22 AM

少人数・遠隔教育整備へ コロナで休校長期化踏まえ

 政府が経済財政運営の指針として今月中旬に決定する「骨太方針」の教育分野に関する原案が7日、関係者への取材で分かった。新型コロナウイルス感染症による休校長期化で学習の遅れが生じたことを踏まえ、デジタル教科書や教材などを使って、効果的な遠隔・オンライン教育を早期に実現すると明記。感染拡大を防ぎつつ学びを保障するため、少人数でのきめ細かな教育体制の整備を検討するとしている。

 義務教育標準法は、小中学校1学級当たりの児童生徒数の上限を小1で35人、小2以上で40人と規定。文部科学省は感染拡大を防ぐ対策として、学校では子ども同士の距離を1メートル以上確保するよう要請しており、学校現場は学級を分割して分散登校させたり、授業に取り組んだりしていた。通常人数の授業では子ども同士の距離を十分確保することは難しいため、教育の質向上を図ることも目指し、少人数教育の検討を進める。

 デジタル教科書に関しては現在、紙の教科書に代えて使う場合は「授業時間数の半分に満たない」との制限があり、この基準の緩和を検討。一人一人に合った教育を提供するため、学習履歴など教育データの効果的な活用も促進する。(共同)