Friday, July 24, 2020 10:20 AM

伝統芸能公演2000件超中止 コロナで落語や歌舞伎

 新型コロナウイルスの感染拡大で5月末までに中止や延期となった落語や歌舞伎といった伝統芸能の公演が2636件に達したことが24日、国立文化財機構東京文化財研究所の調査で分かった。同研究所は「技能継承が困難となり、関連産業の衰退につながる」と懸念。注文が途絶えた三味線製造大手が廃業検討に追い込まれるなどの影響も出始めた。

 調査は同研究所が主な劇場や実演家などの約300のウェブサイトを基にまとめた。公演予定を公表する前に中止や延期を決めたケースは含まれておらず、実際にはさらに多いとみられる。

 同研究所の今月14日時点の集計では、公演だけでなく体験講座などのイベントも入れると2682件。都道府県別では東京1677件、大阪344件と大都市中心だが、琉球舞踊が盛んな沖縄の34件なども目立つ。ジャンルは落語が28%を占め、歌舞伎24%、能楽16%と続き、箏曲など音楽は9%だった。(共同)