Friday, July 24, 2020 10:21 AM

継承活動、被爆者8割困難 体力減、記憶なきためらい

 核兵器廃絶を巡る現状や課題について全国の被爆者に尋ね、1661人の回答を得た共同通信のアンケートで、被爆体験の継承活動をしていなかったり減らしたりしている人が計78.2%に上ったことが23日、分かった。米国による広島と長崎への原爆投下から、8月で75年。高齢化による体力減退や被爆時の記憶がないことなどから、活動に困難さやためらいを感じている人が多いことが明らかになった。

 世界で感染が広がる新型コロナウイルスに対し、今後も核兵器廃絶運動や体験継承を「大きく妨げられる」「ある程度は妨げられる」とした人は計63.1%だった。被爆者は高齢のため、感染したら重症化する懸念が高いとされる。外出や往来の自粛が求められ、講話や会合も中止となる中、活動が停滞することへの強い懸念もうかがえる。

 アンケートは、被爆者らでつくる日本原水爆被害者団体協議会(被団協)と各地の加盟組織などの協力で、5月に約4700人へ質問票を送付。7月20日までに、胎内被爆した74歳から、100歳代までが回答した。(共同)