Monday, June 27, 2016 11:14 AM

首相、日銀に資金供給要請 英EU離脱で緊急会合

 安倍晋三首相は27日、英国の欧州連合(EU)離脱に伴う金融市場の混乱に対応する緊急会合を首相官邸で開き、日銀に対し市場に潤沢な資金を供給するよう要請した。日本経済に悪影響が波及するのを阻止するため、政府、与党は急速な円高による打撃を食い止める対策の検討に着手した。中小企業の資金繰り支援や観光業の振興、雇用維持が柱となる。参院選後にまとめる総合経済対策に反映させ、デフレ脱却の加速策と一体で景気後退の回避に取り組む。

 英国の国民投票に伴い一時1ドル=99円まで急騰した円相場は27日には1ドル=102円前後で推移しているが、輸出企業の採算レートを上回る水準で推移している。企業心理や株価への悪影響を防ぐため、投機的な円の急騰には市場介入も辞さない構えだ。日銀はドル資金供給のほか、追加金融緩和も検討する。

 英国の離脱交渉を巡る情勢は不透明で、市場は不安定な動きが続くとみられる。政府の対応で事態を収拾できるかどうかは見通せない。(共同)