Wednesday, July 29, 2020 10:22 AM

米、対中国で働き掛け強化 豪と連携、包囲網へ一歩

 【ワシントン共同】トランプ政権は28日、オーストラリアと連携して南シナ海での中国の領有権を明確に否定する姿勢を打ち出し、対中包囲網の構築に向けて動きだした。政権は米国内でスパイ行為や知的財産窃盗があったとも主張している。中国に対抗するため、日本を含む各国に働き掛けを強める構えだ。

 米政権は、IT関連などの中国企業を通じた機密情報の流出や、途上国へのインフラ支援を介した中国の影響力拡大に危機感を強めている。同盟国に対し、安全保障や人権擁護の観点から対中姿勢の見直しを求めていくとみられる。

 米政権内で対中強硬論をけん引するポンペオ国務長官は28日、ワシントンで開かれたオーストラリアとの外務・防衛閣僚協議(2プラス2)後の共同記者会見で、欧州や日本、韓国、インドを例示して自由や経済発展のために連携する考えを強調。「民主主義の価値を支えるという重荷をオーストラリア一国に負わせるつもりはない」と述べ、中国に対抗する各国を米国が後押しする姿勢を示した。