Tuesday, August 18, 2020 10:28 AM

ブリの輸出右肩上がり 養殖を安定供給、有望株に

 養殖を中心とするブリの輸出が近年、右肩上がりで推移している。養殖ブリの収穫量が最大の鹿児島県などは安定供給の態勢を整え、輸出先を広げてきた。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大で主要納入先となっている海外の日本料理店の需要が減り、今後は海外の一般家庭に販路を広げられるかが鍵を握る。

 農林水産省によると、農林水産物・食品の2019年の輸出額は前年比0.6%増の9121億円と過去最高になった。政府は25年に2兆円、30年に5兆円を目指しており、19年の品目別輸出額で7位のブリを成長の有望株と位置付ける。

 宮崎県の沖合は豊富な栄養のある黒潮の通り道で、養殖のために捕獲する天然稚魚が多く生息するため産地の一つとなってきた。黒瀬水産(串間市)は7月初め、約2000匹を1日3回に分け陸揚げした。天然稚魚に頼らない完全養殖も手掛けており、成魚から人工的に採取した卵を陸地で稚魚に成長させ、洋上のいけすで約2年育てる。(共同)