Thursday, October 06, 2016 10:20 AM

福島原発、費用8兆円増 電事連、国費を要望

 大手電力会社で構成する電気事業連合会が、東京電力福島第1原発事故に伴う賠償と除染費用が計画より計約8兆円上回るとの試算をまとめたことが6日、分かった。超過する分を国費で手当てするよう政府に非公式に要望した。費用は東電など大手電力が負担することになっており、国民の負担につながりかねず政府は慎重に対応するとみられる。

 賠償と除染費用は、東電が国の認可法人「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」から資金の交付を受けて支払う。賠償に関しては、東電を含む大手電力が負担金を機構に納付し、除染は、機構が保有している東電株の売却益を充てる仕組みになっている。

 現在の見込み額は、賠償が5兆4000億円、除染が2兆5000億円だが、試算では賠償は2兆6000億円増えて8兆円に、除染は4兆5000億円増えて7兆円となる。さらに東電の株価が低迷し、売却益が1兆円下振れすると見込み、合計で計8兆1000億円上回る可能性があるとしている。(共同)