Monday, August 31, 2020 10:08 AM

WTOトップ、不在に 後継候補絞り込みへ

 【ジュネーブ共同】世界貿易機関(WTO)は31日、アゼベド事務局長が退任し、事務局長選は9月上旬以降、候補絞り込みの段階に入る。11月上旬の後継選出までの間、事務局長の代行すら不在という、近年のWTOの機能不全を象徴する事態が続くことになる。

 アゼベド氏は5月に突然、8月末での辞任を表明。WTOは事務局長選の手続きを加速したが、アゼベド氏退任までの新事務局長選出は日程面から現実的ではなく、9月1日からは、4人の事務次長の誰かが代行を務めるはずだった。

 だが米国が自国のウルフ事務次長の局長代行就任に固執。WTOは全会一致を原則とするため、米国の態度に反発した他国の賛同が得られない事態に。結局、4事務次長が当面留任し、それぞれが担当する分野の事務作業を継続することになった。