Wednesday, September 09, 2020 10:18 AM

アラスカ凍土で産出試験 メタンハイドレート検証

 政府が、次世代資源「メタンハイドレート」からガスを産出する試験を2021年度にアラスカ北部の永久凍土で実施する方針であることが9日、分かった。日米両国の共同研究として1年間の生産を行う。政府は27年度までに日本近海で商用化に向けた事業を始める目標を掲げており、今回の試験を通じて技術的課題を検証し、国産エネルギーの確保につなげたい考えだ。

 「燃える氷」とも呼ばれる固体のメタンハイドレートは日本近海で広く埋蔵が確認され、将来の国産エネルギーとして期待される。政府は13年と17年に愛知県・渥美半島の沖合で産出試験を行ったが、それぞれ6日、約3週間と短期間だった。今回は海洋よりも操業しやすい陸上を選び、永久凍土の下にあるメタンハイドレートをガス化して長期安定的に取り出す検証を進める。

 経済産業省が21年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む。試験は石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と米国立エネルギー技術研究所が共同で実施。アラスカでの結果を踏まえ、23年度以降は日本の太平洋沖で再び試験を行い、27年度までに民間主導による事業開始を目指す。(共同)