Wednesday, September 16, 2020 10:17 AM

WTO、米の対中関税不当 パネル初判断、輸入制限

 【ジュネーブ、ワシントン共同】世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)は15日、米国が中国製品に課した高関税がWTO協定に反し、不当と結論付ける報告を公表した。中国の主張を認めた。AP通信によると、トランプ政権が輸入制限のために課した関税を不当と判断した初めての例となった。

 米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は15日、「米国は中国の不公正な貿易慣行から自国を守らなければならない」との声明を出し、WTOを批判。高関税を残した上で発効した米中貿易協議の「第1段階」合意には影響しないとの見方を示した。

 パネルはWTOの紛争処理機関で「一審」に相当し、米国は上訴する可能性がある。ただ、最終審に相当する上級委員会は、米国の反対で欠員が補充できず、昨年12月から機能不全に陥ったままとなっている。