Friday, September 25, 2020 10:36 AM

トランプ氏、軍人票で苦戦 人種差別抗議デモで溝

 【ワシントン共同】トランプ大統領が再選を狙う11月の大統領選に向け、軍人票の獲得に苦戦している。軍最高司令官を兼ねる大統領として軍からの支持は重要で、トランプ氏は軍をたたえる発言を繰り返してきたが、人種差別抗議デモへの対応で国防総省との溝が表面化。今月、戦死兵らを「負け犬」と呼んだと報じられたことで、確執が深まる可能性もある。

 軍事メディアとシラキュース大が8月末に発表した世論調査結果では、現役軍人の49.9%がトランプ氏に否定的な考えを表明。民主党候補のバイデン前副大統領に投票すると答えた人が41%で、トランプ氏の37%を上回った。トランプ氏に軍務経験がない一方、バイデン氏は長く外交安全保障に関わり、長男の故ボー氏がイラク戦争に従軍したことも影響しているようだ。

 軍内部には、戦死者や捕虜を軽視するようなトランプ氏の姿勢に反感がくすぶる。トランプ氏は今月3日、2018年のフランス訪問時、第1次大戦で戦死した米軍兵士らの墓参を取りやめた際に「なぜ負け犬だらけの墓地に行かないといけないのか」と語り、戦死者を「間抜け」と呼んだと報じられた。