Monday, September 28, 2020 10:18 AM

コロナ情報共有、利用4割 病院の半数、紙で届け出

 厚生労働省は28日、新型コロナウイルス感染者の情報を共有する新システム「HER-SYS」(ハーシス)の利用状況を調査したところ、利用していたのは回答した医療機関の4割にとどまり、半数が感染者の発生届を紙で保健所に提出し続けていたとの結果を公表した。紙で送られた発生届の内容を医療機関の代わりに入力している保健所が多かった。

 感染症対策の根幹となる情報共有を円滑に進めるために厚労省が5月に運用を始めたが、デジタル化がうまくいっていない実態が改めて浮き彫りになった。

 ハーシスは、医療機関や保健所が入力した検査結果や感染者の氏名、居住地などの情報を国、自治体が共有できる仕組み。医療機関から保健所にファクスで送って入力する従来の仕組みよりも手間が減り、情報共有が迅速になると期待される。保健所を設置している155自治体のうち154自治体が正式に導入。さらに帰国者・接触者外来のある医療機関にも情報を入力、閲覧するためのIDが保健所から与えられている。(共同)