Friday, October 07, 2016 5:46 PM

対ミャンマー制裁全面解除 米、民主化推進の意向鮮明

 米政府は7日、ミャンマー軍事政権の民主化弾圧を理由に発動した経済制裁を全面的に解除した。ミャンマーへの新規投資を促すことで、3月末に発足したアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相率いる国民民主連盟(NLD)政権下の民主化を後押しする意向だ。

 オバマ米大統領は、1997年に発動した対ミャンマー制裁枠組みを解除する大統領令に署名。米議会への通知で、NLDが圧勝した昨年11月の総選挙に触れ「民主化の重要な進展によりミャンマー情勢は大きく変化した」と述べた。

 米財務省によると、今回の措置で米国人や米企業との取引を禁じられてきた100以上の個人・団体が制裁対象から除外される。ミャンマーの主要天然資源で、国軍や政商が利権を握ってきた翡翠やルビーの輸入も解禁となる。マネーロンダリング(資金洗浄)関与の懸念があるとして、ミャンマーの銀行に科されていた制裁も停止されるが、麻薬密売や軍事取引に絡む制裁は残る。(共同)