Tuesday, October 06, 2020 10:41 AM

政府、任命拒否へ内部文書 推薦通りの義務否定

 政府は6日、日本学術会議が推薦した会員候補6人の任命を拒否した問題を巡り、首相が学術会議の推薦通りに任命する義務はなく、首相に監督権があると確認する2018年11月の内部文書を公表した。秘密裏に対応を変更する形となったが、解釈変更ではないので非公表としたと主張。1983年の国会答弁は首相の任命権について「推薦していただいた者は拒否はしない。形だけの任命をしていく」としており、文書と答弁の整合性が問われることになる。

 17年の改選会員105人を決める際、定員より多い候補者リストを示すよう首相官邸が求め、会議側が応じていたことが判明。今年の改選の際にも内閣府側が8月までに同様の要請を行ったが、会議側は応じず定数通りの名簿を提出したことも分かり、安倍政権時から首相の任命権を明確化するための手続きを進めていた実態が鮮明になった。

 菅義偉首相は6日の自民党役員会で「丁寧に説明しながら、理解していただくよう努めていきたい」と強調した。(共同)