Wednesday, October 07, 2020 10:22 AM

国連、中国非難で紛糾 人権議論、共同声明の応酬

 【ニューヨーク共同】国連総会第3委員会(人権)の6日の会合で、米欧諸国と中国側が非難の応酬を展開し、紛糾した。ドイツのホイスゲン国連大使が日米英仏を含む39カ国を代表し「中国新疆ウイグル自治区の人権状況と最近の香港情勢を深く憂慮する」と表明すると、パキスタンは55カ国、キューバは45カ国を代表し中国擁護の論陣を展開、米中対立を軸とした分断を印象付けた。

 アレン英国連代理大使は、中国が複数の国に対し、米欧側の共同声明に署名しないよう「経済協力を巡る脅しを含め、極めて大きな圧力」をかけたと記者団に明言。中国の張軍国連大使は「あらゆる外交手段を使って他国に圧力をかけるのは英国とドイツと米国だ」と反論した。中国による圧力を否定はしなかった。

 ホイスゲン氏は会合で、中国が自治区でウイグル族を「再教育」施設に強制収容し、広範な監視や強制労働などを通じ弾圧していると指摘。バチェレ国連人権高等弁務官の自治区訪問を直ちに認めるよう求めた。6月末に施行された香港国家安全維持法にも懸念を示し、言論、報道、集会の自由を保障するよう訴えた。