Tuesday, October 13, 2020 9:19 AM

電動「F150」の工場建設開始〜フォード、稼働は22年半ばに

 フォードは、ミシガン州ディアボーンにあるトラック工場「ルージュ・センター」の隣で新工場の建設を始めた。ピックアップ・トラック「F150」の電動バージョンを生産する施設として、2022年半ばの稼働開始を目指す。「F150」のハイブリッド・バージョンもここで生産する予定。

 エレクトライブによると、フォードは電動F150に関する詳細をいくつか発表した。2個の電気モーターを搭載し、現在売られているどのF150より大きなトルクと電力を提供し、重いトレイラーもけん引できる。また、大きな前方トランクは荷物積載の可能性と大事な荷物の保安性を高める。

 電動「F150」は、ほかのすべての「F150」の新モデルと同様、高速無線更新技術によって車載ソフトウェアが継続的にアップグレードされる。さらに、必要に応じて電動ピックアップを電源に使える移動式発電技術「Pro Power Onboard」を搭載。これでキャンプ場や工事現場で車を電源として使用できるほか、極端な悪天候や停電時にも一時的な電源になる。

 コスト面では、ガソリンエンジン版よりもメインテナンスがはるかに簡単なため、耐用年数を通じてかかるコストはFシリーズの中で最も低く、所有者の総運用コストを40%以上節約できる。

 ピックアップはフォードの財務の中核であり、19年に米国で生産された200万台以上のフルサイズ・ピックアップのほぼ半数をフォード車が占めた。ボストン・コンサルティング・グループの調査によると、19年に米国で販売されたFシリーズ車は約90万台、関連売上高は約420億ドルに上り、フォードは利益の大部分をFシリーズから生み出している。

 同社は電動化にも投資しており、19年12月には約7億ドルの工場投資を発表した。「ルージュ・センター」の新工場は、完成時には300人を雇用する予定。