Tuesday, October 13, 2020 9:47 AM
「集団免疫」依存に警告 WHO、野放図感染は問題
【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は12日、新型コロナウイルスを巡り、人口の多くが抗体を持つことで感染が広がりにくくなるとされる「集団免疫」をワクチンではなく、野放図な感染拡大により獲得することは「科学的にも、倫理的にも問題がある」と警告。感染を放置することによる集団免疫は安易に用いる方策ではないと戒め、感染防止徹底を求めた。
テドロス氏は「集団免疫という概念は、ワクチン接種に依拠したものだ」と述べ、感染拡大を放置することで得られるものではないと強調した。また、はしかは人口の95%、ポリオ(小児まひ)は80%のワクチン接種で集団免疫が実現し、残りの人口が守られると例を挙げた。
新型を含め、これまでにコロナウイルスに対するワクチンは開発されたことがない。新型コロナに感染したトランプ大統領は「免疫ができた」と述べているが、免疫がどれほど持続するかは依然としてはっきりしていない。一度感染した人が、再度感染した例もあるとして、WHOは「対人距離の確保」「3密(密閉、密集、密接)の回避」といった感染拡大防止策の継続を訴えている。
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